2023年11月17日、奈良県吉野郡天川村で2回目のショートプログラムを開催しました。デンマークでLiving Labを用いたコンサルタントを行なっているPublic Intelligence 社 CEOのPeter Julius(ピーター ユリウス)氏 に講師をお願いしました。
市民参加型デザインとも言われるリビングラボと民主主義の土台をなすフォルケホイスコーレの親和性を感じたのが去年のことでした。リビングラボのことを知るセミナーを今年の4月に開催したり、デンマークでピーターさんと打ち合わせたり。また、日本でリビングラボの研究と実践をされている日本リビングラボネットワーク代表理事の木村さんと話したり。
そうこうするうちに、フォルケスタイルで学ぶテーマとしてリビングラボがピッタリ来るようになりました。観光庁の事業として開催できることになり、5名の参加者、講師2人、通訳ボランティア1人、スタッフの陣容で開催することができました。
場所は2022年の8月にショートプログラムを開催した、てんかわ天和の里と大和屋さん。
1日目は、イントロダクションの後、自己紹介をする時間を設けました。 その後、ピーターさんから、リビングラボとは何か?を説明していただきました。話が盛り上がり延長してしまいました。
夕食後は恒例の焚き火。今回の講師である天川村在住のコミュニティーナース山端さんのお話だけでなく、それぞれの想いを交換するゆっくりとした時間を過ごしました。
2日目は11月だというのに初雪が降るかも?という予想が当たり、雪の天川村を体験することになりました。
フォルケホイスコーレスタイルということで、朝は朝礼から始まります。この日はラジオ体操の歌をみんなで歌いました。その後、山端さんの活動についてダイジェストでお話しいただきました。
午前中は、お弁当付きで村内を回りました。まず最初に天河大弁財天へお参り。その後80代でも元気に働く高齢者の方と話すことで高齢化や人口減少などを肌で感じることができました。お土産物やさんへ立ち寄ることで観光について知り、新しくできたジェラート屋さんで美味しいジェラートを食べながら村で起こっている新しい動きを知りました。
お昼はいつも美味しい大和屋さんのお弁当を食べながら、天川村のこと、デンマークのことなどについていろいろと話しました。
午後は、リビングラボパートとして、クリエイティブなアイデアを一緒に考える。解決策を導くワークショップ形式で学びました。希望者を募って天の川温泉へ行った後、美味しい夕食、焚き火へとプログラムは続くのでした。。。
3日の朝礼は、『365歩のマーチ』を歌うこととピーターさんのミニレクチャーからスタート。
この2日間は素晴らしい英語力と日本語力をもつ“すなみん”に通訳をしてもらい、快適に過ごしておりましたが、先に帰宅しないといけないということで、参加者にSOSしたところ、フォローしてくださる方が出てきました。皆で助け合い、持てる力を結集する、というところがデンマークでの体験と重なり嬉しいものです。
午前中は、市民参加型と言われるリビングラボにおいて、どのように市民を巻き込んだらいいのか?その具体的な手法について学びました。
デンマークだと「これからの社会を良くするために」というのが効果的なのに比べて日本人には「あなたが成長できますよ」「あなたが学ぶことができます」というと参加してもらいやすいというインサイトを得ました。文化背景の違いを感じることができました。
実際にどのような方法で市民に参加してもらうかについて話し合った結果、具体的なイメージが湧いてきました。
3日間という短い時間ではありましたが、リビングラボという手法を学び、フォルケホイスコーレというスタイルを体験していただき、素晴らしいネットワークもできたようです。天川村に初めてきた方もおられたので、魅力を感じて再訪してもらえたらと願っています。 何よりも、学んだことをそれぞれの現場で活かしてもらえたら嬉しいです。