天川村ホイスコーレ2025 Food Exploring ― 食から、いのちと土地を見つめる7日間 ―

天川村ホイスコーレ2025 Food Exploring
― 食から、いのちと土地を見つめる7日間 ―

緑深く静かな山々に囲まれた天川村で、「食」を通して生き方を見つめる一週間。食べることは、自然の恵みをいただくこと。そして、食べることは、生きること。全国から集まった8名の参加者が、それぞれの想いを胸に“Food Exploring”へ。

Day 1 はじまりの食卓 ― ごちそうとは?

「あなたにとって、ごちそうとは?」
そんな問いから始まった初日。森を歩きながら語る“Hike & Tell”、野草摘みと野草茶のティータイム、そして「食の瞑想」。焚き火を囲んでの“hygge time”にはスペシャルゲスト・やまちゃんも加わり、笑顔と対話があふれる夜となりました。天の川温泉で心も体もほぐれ、天川の時間が静かに流れ出します。

Day 2 土地を感じる ― 天川の水とめはり寿司

テーマは「土地を感じる」。
大和屋の修ちゃん・エリカさん夫妻とともに、名水を味わい、天川の水の力を実感。高菜の葉で包むめはり寿司づくりでは、それぞれのスタイルで個性が光りました。午後はスケッチと香りの実験。ありのままを受け取る時間に、心も静かに整います。余白の時間は、参加者のアイデアで洞川温泉探検に。

Day 3 源を辿る ― 水と鮎の物語

修ちゃんの案内で集落の水源へ。
水を「引く」暮らしの仕組みを知り、自分たちの手で自然を守る姿に触れました。その清らかな水で育つ鮎を、塩焼きと唐揚げでいただく贅沢な昼食。午後は上西良嗣さんが収集した写真とお話で集落の歴史をたどりました。そして映画『もったいないキッチン』を観ながら食の循環を考え、天川の味噌鍋で締めくくる豊かな一日。

Day 4 過去を知り、今を見つめるーお米について考える

お今年の米不足の話題から始まり、米をめぐる50年の変化をデータから学び、私たちの“食べる”を俯瞰で見つめ直す日。まだまだちゃんと知らないことがたくさんあることを認識しました。これからまた調べたり学んだりしていきましょう。午後は味噌づくりに使う糀の仕込み。「ちゃんと育ってくれるかな」と語りながら、糀を大切に包み込む姿が印象的でした。焚き火で温めながら、歌も聞かせて、糀が咲くのを待ちました。

Day 5 森と生きる ― やまちゃんの流儀

天河大弁財天への参拝から始まり、やまちゃんの案内で役行者の行場など森の奥へ。天川の森や自然の恵を生きる糧に、好きなことで暮らしていくために頭を使うのだというやまちゃんの流儀。駆除された害獣もちゃんと美味しくいただく。そして「やりたくないことはやらない」という潔い生き方に、みんな勇気をもらいました。夜はジビエBBQと栗ご飯、赤ワインで乾杯。森のいのちをいただく晩餐。そして満天の星。

Day 6 未来につなぐ ― 大豆と味噌と種と

4日目に仕込んだ糀がようやく目覚め、TOYAMA HOUSEで味噌づくり。藤井さん(地域おこし協力隊)も加わり、来春の「味噌びらき」を約束しました。午後は十津川のメンバーの畑を訪れ、野草とともに育つ野菜、シードバンクの話に耳を傾けました。最後の夜は、ステイ先の大和屋さんのご夫婦も、やまちゃんも、天川村の議員さんも集ってhyggeテラスでさよならパーティ。

Day 7 探求の軌跡 ― ごちそうとは?

最終日。初日に交わした問い「ごちそうとは?」をあらためて振り返ります。
「その土地のものを、親しくなった人と一緒にいただくこと」――。修ちゃんの語る「天川村12ヶ月」の食の物語を聴きながら、それぞれが来年のわたしへのメッセージを綴りました。

おわりに

FoodExploringを通して見えてきたのは、土地の力、人のつながり、そして自分の中の新しい感性。
ここで過ごした時間が、これからの生き方・暮らし方を考えるきっかけになったら――そんな願いを込めて。

また天川の森でお会いできる日を楽しみにしています。